屋根の実戦データ

  • 執筆者略歴
  • 沼太英雄士(沼田 弘)
  • 1961年 岩手県遠野市生れ
  • 早稲田大学 教育学部 理学科
    生物学専修卒業
  • 2級建築士
  • 2010年現在
    (有)沼田製瓦工場 代表取締役

実戦!屋根の知識(粘土瓦の産地)

 ここでは、当社が工事を行う際に、もっとも多く使用する「粘土瓦」について詳しく解説します。
 一般に「瓦」と言う場合、基本的にはこの粘土瓦を指すのですが、広い意味で瓦と言えば、セメント系の瓦や、場合によってはカラーベストなどのスレートもその範疇に入れることがあるようです。しかし、屋根材としての性能から見て大きな隔たりがあり、私たち粘土瓦を扱っている工事店からするとこういった分類には違和感を感じざるを得ません。広辞苑によれば、「瓦」とは「粘土を一定の形に固めて焼いたもの」とあります。そして何よりも、トップページに書きました「我が国で1400年の歴史がある瓦」の瓦とは、粘土瓦以外の何物でもないからです。

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瓦の産地について

 瓦は元々が地場産品であり、全国各地に窯元がありました。我が岩手県にも戦後でさえ38もの窯元があったと言われております。
 当時の瓦は、だるま窯や登り窯で焼成しており、当然大量生産は出来ません。瓦屋の仕事とは、粘土を掘るところから始まり、練って成型し、乾燥させ焼成する、そして焼き上がった瓦を屋根に葺く、という今考えると気が遠くなるような作業だったのです(当社もそうでした)。
 こうしてその地方独特の味わいのある瓦屋根が町並みを形成していったのです。しかしその後、地方の産地の多くは消滅していきました。
 現在、我が国の瓦のほとんどは3大産地で製造されています。
 三州(愛知)、石州(島根)、淡路の3産地です。
 中でも三州が最大で、国内の粘土瓦の約4割は三州産です。
 ここで注意したいのは、三州はあくまで産地の名称であり「三州瓦」というひとつのメーカーがある訳ではない、ということです(石州、淡路も同様)。
 それぞれの産地の特徴は次の通りです。

三州
和瓦の規格はJIS53A判が主 釉薬瓦、いぶし瓦を生産 全国の生産量の4割を占める
石州
和瓦の規格はJIS53B判が主 高温焼成による耐寒性の高い釉薬瓦を生産する
淡路
いぶし瓦の生産量は全国一 きめの細かい美しい素地が特徴、但し耐寒性に劣り寒冷地には向かない

 その他に新潟に安田瓦など、各地で健闘している瓦メーカーがあります。

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